ヨーロッパのLCCの中でもトップクラスに安いとされる「ライアンエアー」ですが、やばい航空会社という評判もあります。
そのため、人によっては「安すぎるがゆえに仕方ないのかな?」や「予約が面倒なのかな?」といった疑問が生まれるかもしれません。
そこで今回は、実際の経験を踏まえつつ「ライアンエアー」の基本情報や予約方法などを紹介します。
「ライアンエアー」を活用できれば格安でヨーロッパ旅行ができるため、この機会に予約方法を覚えてみましょう。
意外とライアンエアー、評判ほど悪くないLCCなのでは……?
そもそもライアンエアーとは?
「ライアンエアー」はアイルランドのLCCであり、国際旅客数としては世界最大規模を誇ります。
就航都市は200都市以上で、ロンドンのスタンステッド空港を主な拠点としています。
ヨーロッパには「ウィズエアー」や「イージージェット」などのLCCもありますが、その中でも「ライアンエアー」は代表的なLCCといえるでしょう。
ちなみに、「ウィズエアー」は以下の記事で詳しく紹介しています。
「ライアンエアー」の魅力は、なんといっても安いことです。
事実、航空券によって1000円以下で買えてしまうものもあり、日本のLCCではありえないほどの価格で搭乗できます。
その分、受託手荷物や座席の指定などでお金がかかってしまうものの、それでも「ライアンエアー」の安さは他のLCCとの大きな違いといえるでしょう。
だからこそ「ライアンエアー」を活用できるようになれば、ヨーロッパの各都市を手軽に移動できるようになります。
ライアンエアーがやばいと言われる理由
恐ろしいほどの安さが魅力の「ライアンエアー」ですが、その一方でやばい航空会社という評判もあります。
「ライアンエアー」がやばいと言われる理由はさまざまありますが、大きく分けると2つ挙げられます。
1.前代未聞のサービスを導入しようとした
「ライアンエアー」は航空券を安くするために、コストカットとして以下のようなサービスを導入しようとしました。
・立ち乗りサービスの実施
・肥満体の乗客に対する別料金の適用
・トイレの有料化
どれもありえないと思いそうなものであり、実際にすべて導入されていません。
ただ、ビザチェックのルールを設けたり、受託手荷物を乗客が自分で飛行機のところまで持ってくる流れを作ったり、他のLCCにはない方法でコストカットを図っています。
2.安い以外の評判が賛否両論
「ライアンエアー」の魅力は安さだけで、それ以外は賛否両論です。
特に批判の声がひどく、世界的にも「ライアンエアー=評判の悪いLCC」と評価されています。
ただ、利用者の中にはそこまで悪い航空会社ではないと評価している方もいます。
飛行自体も問題なく、2018年には15分以上遅れて到着する便が14%で、世界で最も遅延の少ない航空会社となりました。
そもそもワンコインほどで航空券が買えてしまうこともある格安LCCに、過度な期待を求めること自体が間違っているのではという声もあります。
ライアンエアーでは、すべてのものに追加料金がかかる。それこそ、座席の指定から食事、飲み物、さらには荷物の機内持ち込みに至るまで。ありとあらゆるものが有料だ。しかし、1区間に20ユーロ(約2300円)しかかからないチケットに、何を期待するというのだろう? 私なら素晴らしい顧客サービスは絶対に期待しない。
引用元:ライアンエアーは本当に最悪の航空会社なのか? | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
(中略)
私の場合、欧州で最安のチケットを予約したいときはまずライアンエアーを見る。同社は間違いなく最安であり、この価格帯で豪華な顧客サービスを求めることは理不尽だと私は思う。
僕としてもサービスを求めるなら、LCCよりもフラッグ・キャリアの利用をおすすめします……
ライアンエアーの航空券を予約する方法
「ライアンエアー」は日本語で予約できないものの、流れさえわかっていれば簡単に予約できます。
初めて予約する方は、以下の流れに沿って予約してみましょう。
①トップページでルートを検索
まずは「ライアンエアー」の公式サイトへアクセスし、出発地や発着地などを選んで検索します。
画像では出発地と発着地しか表示されていませんが、双方を選んだ後に日付や人数を選べます。
②検索結果から欲しい航空券を選ぶ
次に検索結果から欲しい航空券を選びましょう。
選ぶと以下の画像のような選択画面が表示されるため、予算や内容に応じて選択します。
それぞれを日本語にしてわかりやすくまとめると以下の通りです。
プラン名 | Value | Regular | Plus | Flexi Plus |
機内手荷物の個数 | 1個 | 2個 | 1個 | 2個 |
受託手荷物 | ✕ | ✕ | ○ | ✕ |
座席指定 | ✕ | ○ | ○ | ○ |
空港での無料チェックイン | ✕ | ✕ | ○ | ○ |
保安検査場での優先ゲート | ✕ | ✕ | ✕ | ○ |
追加料金なしでの航空券変更 | ✕ | ✕ | ✕ | ○ |
座席指定は「Regular」や「Plus」だと制限が設けられており、一部の座席は追加料金がかかります。
また、一番高額な「Flexi Plus」には受託手荷物が含まれていません。
もし利用するのであれば、利用する際は受託手荷物の追加料金を支払ったり、荷物を手荷物としてコンパクトにまとめたりなど、何らかの対策をしておきましょう。。
航空券とプランを選択したら、乗客の名前を入力しましょう。
パスポート番号や支払い方法は別の場面で決めます。
③座席を指定する
航空券を選択する画面の後は、座席の指定です。
座席はそれぞれ料金が異なるため、自分のお財布と相談しながら決めましょう。
もし座席を指定しない場合には「Option2:Select seats later」というタブを選択し「Continue without a seat」をクリックします。
少しでも安くしたい場合には座席を指定しないまま予約するかもしれませんが、それだけで判断するのはもったいないです。
「ライアンエアー」の場合、座席を指定することでオンラインチェックインが搭乗日の60日前からできるようになります。
「ライアンエアー」のオンラインチェックインは搭乗日から24時間前からであり、その日のうちに用意しておかなくてはなりません。
そのため、あらかじめオンラインチェックインを済ませたい場合は、座席を指定しておきましょう。
自分の場合、余裕を持って航空券を印刷したかったので座席を指定しました!
④手荷物・受託手荷物を選択する
「ライアンエアー」の場合、手荷物は1個もしくは2個まで持ち込めます。
1個しか持ち込まない場合には、座席下に入るサイズ(40cm×20cm×25cm)が上限となるため、あらかじめサイズを図っておきましょう
2個目は座席上の荷物入れに置くことができ、サイズは55cm×40cm×20cmとなります。
受託手荷物の場合「Plus」を選んでいない方以外は有料です。
10kgと20kgで料金が異なるため、あらかじめどのくらいの重さなのか調べておくと良いでしょう。
この際、手軽にカバンの重さを図れるコンパクトな荷物はかりを持っておくと簡単に測れます。
⑤オプションの選択
手荷物・受託手荷物を選択した後、機内食や保険などのオプションを追加する画面となります。
すべて追加しなくても問題ありませんが、必要な方はこの画面で希望のオプションを選択しておきましょう。
⑥「Check out」をクリックして支払いへ
最後に上の画像が表示されたら、右上のカートをクリックして「Check out」を選びます。
そうすると支払い画面となりますが、ログインしていない場合はアカウントの有無が問われます。
アカウントを持っていないと航空券を購入できないため、あらかじめ作っておきましょう。
支払い方法は、クレジットカードもしくはPayPalとなります。
海外の航空会社だと日本のクレジットカードに対応していない場合がありますが「ライアンエアー」の場合は問題なく使えました。
ライアンエアーのオンラインチェックイン方法
「ライアンエアー」ではオンラインチェックインが必須であり「Plus」もしくは「Flexi Plus」以外の方だと罰金を科されてしまいます。
罰金を避けるにはあらかじめオンラインチェックイン方法を覚えて、当日問題なく搭乗できるようにしておきましょう。
①あらかじめマイページに個人情報を入力しておく
スムーズにオンラインチェックインを済ませるためには、マイページの個人情報を埋めておきましょう。
生年月日やパスポート番号などを埋めておくことで、チェックイン時に自動入力してくれます。
②オンラインチェックインしたい航空券を選ぶ
オンラインチェックインしたい場合には、「My Booking」を選びます。
その後、オンラインチェックインしたい航空券を見つけて「Check in」をクリックしましょう。
③乗客を選んでチェックインできるかどうか確認する
まず誰が登場するのか選択し、その後で航空券がオンラインチェックインできるかどうか確認します。
もしオンラインチェックインができない場合には、上のような画面となります。
④荷物・オプションの選択を終えてチェックイン完了
問題なくオンラインチェックインができる場合には、座席の確認をした上で荷物やオプションの選択画面となります。
こちらは航空券を買う際とほとんど変わりませんが、料金が値上がりしている場合があります。
少しでもお得に追加したいのであれば、航空券を購入する段階で追加しておきましょう。
ライアンエアーの航空券はルート次第で印刷が必要
「ライアンエアー」を利用する上でよくある悩みが、航空券の印刷が必要かどうかです。
このことはさまざまなブログで情報が発信されていますが、印刷がいらない場合もあれば必要な場合もあって、どれが正しいのか翻弄されている人も多いのではないでしょうか。
「ライアンエアー」の場合、印刷の有無は“飛行ルートがシェンゲン協定内かどうか” で変わります。
印刷がいらないケース(路線例) | 印刷が必要なケース(路線例) |
国内線(ミラノ→カターニア) シェンゲン協定内(イタリア→ドイツ) | シェンゲン協定外(ウクライナ→ブルガリア) 出発地あるいは到着地がシェンゲン協定外(イタリア→ブルガリア) |
少々ややこしいかもしれませんが、オンラインチェックインの最後に表示される搭乗券にQRコードがあれば印刷の必要がありません。
スマホでもチェックインできるため、カウンターでQRコードを見せましょう。
一方でQRコードが無くて「VISA CHECK」という文字がある場合は、印刷が必要です。
カウンターでビザチェックをしてもらわないと搭乗できないため、必ず印刷してカウンターへ行きましょう。
当日は早めにチェックインカウンターへ
「ライアンエアー」に登場する場合、早めにチェックインカウンターへ行くことをおすすめします。
「ライアンエアー」のチェックインカウンターは混雑しやすく、大行列になりやすいです。
スムーズにチェックインするためにも、早めに空港へ向かっておきましょう。
僕のライアンエアー搭乗記【ミラノ→カターニア】
上記で述べたように「ライアンエアー」は、飛行ルートがシェンゲン協定内かどうかで印刷の有無が変わります。
そこでまずは、実際に利用したシェンゲン協定内でのフライトから見ていきましょう。
チェックインはQRコードを見せるだけ
カウンターでのチェックインですが、自分の場合だと一応印刷していた搭乗券とパスポートを見せるだけで問題なく完了しました。
特にビザチェックといったものはなく、一般的な飛行機のチェックインとそこまで変わりません。
ただ、QRコード自体は保安検査場へ行く際に必要となるため、チェックイン後も必ず持っておきましょう。
ミラノ→カターニアは荷物を飛行機まで持っていく必要なし
イタリアの国内線であるミラノからカターニアへの路線では、一般的な航空会社と同じく荷物をカウンターで預かってくれます。
飛行機まで持っていく必要は無いため、荷物が重たくても問題ありません。
ただし、機内には一度外に出てから向かいます。
搭乗券にどちらの入り口から入るのか記載されているため、内容に従って機内に入ればOKです。
座席は他のLCCと変わらない
「ライアンエアー」の座席は狭いですが、他のLCCと同じくらいのスペースです。
極端に狭いというわけでもなく、足が長い自分(身長181cm)もそこまで窮屈には思いませんでした。
椅子も強烈に硬いわけではないため、よくLCCを利用している方にとっては居心地が悪いとは思わないはずです。
掃除もきちんとされており、前の人のゴミが散らかっているといったことはありませんでした。
悪天候の中のライアンエアー
当日のミラノは良い天気でしたが、カターニアの天気がかなり悪く、1時間遅れで離陸しました。
事実、当日のカターニアは洪水が発生しており、街が磯臭くてゴミが散らかっていました。
その中での到着ということもあって、無事に到着した際は乗客全員が拍手。
車輪が地面についた際に左右に揺れましたが、それでも問題なく到着できて良かったです。
僕のライアンエアー搭乗記【カターニア→ソフィア】
シェンゲン協定内の場合は簡単にチェックインできますが、シェンゲン協定外の場合は異なります。
実際に自分が利用したカターニアからブルガリアのソフィアへ行くルートを見つつ、どのように搭乗するのか確認しておきましょう。
カターニアで印刷できるところって?
別の項目で紹介したように、シェンゲン協定外の航空券は印刷が必須です。
カターニアの場合は以下の場所で印刷可能であり、USBを持っていけば印刷してくれます。
ちなみにソフィアの場合は以下の場所で印刷してもらえます。
どちらも1〜2枚なら100円以下で済むため、あらかじめ印刷しておきましょう。
カターニア市街地から空港への行き方
ミラノの場合は市街地から空港へ行く方法がさまざまなサイトで紹介されていますが、カターニアはほとんどありません。
カターニアの場合はタクシーもしくはバスでの移動となりますが、自分は「ALIBUS」というバスを利用しました。
「ALIBUS」の場合、チケットをバス停にある券売機や売店などでチケットを購入し、乗車する際に車内の打刻機で打刻すればOKです。
今回は市場から近い以下のバス停から乗車しましたが、ここだと券売機があるので、気軽に購入できておすすめです。
ビザチェックは簡単!
ビザチェックはカウンターでビザチェックして欲しいことを伝えるだけの簡単なものです。
チェックインと同じタイミングで良いため、そこまで面倒にはなりません。
人によっては印刷した搭乗券にビザチェックをしたことを示すスタンプが押されるようです。
自分の場合は搭乗券を破かれて、別の搭乗券を渡してくれました。
また、荷物もミラノの場合と同じくカウンターで預かってくれました。
カターニア→ソフィアは問題なし
ミラノからカターニアへのルートは悪天候の影響で1時間も出発時間が遅れましたが、カターニアからソフィアの場合、そのようなことはありませんでした。
出発もスムーズで、特に嫌と思ったところも無かったです。
ヨーロッパの格安旅行はライアンエアーを使いこなそう!
賛否両論の評判でむちゃくちゃなサービスを導入しようともする「ライアンエアー」ですが、予約方法や印刷の有無といったことを把握しておけば問題なく利用できます。
日本のLCCではありえないほどの価格で利用できるからこそ、「ライアンエアー」を利用して格安なヨーロッパ旅行を実現してみてはいかがでしょうか。
うまく活用できれば、さらに充実したヨーロッパ旅行を計画できるはずです。